自立した未来を築く教育支援「ナマステ基金」

皆さんは、ネパールと聞いてどのような国を思い浮かべますか。世界最高峰のエベレスト山があるヒマラヤ山脈が連なる自然豊かな国、ヒンドゥー教や仏教の寺院がたくさんある信仰深い国など、ネパールは、自然と文化が融合した独特の魅力を持った国です。

そんなネパールでは、多くの子どもたちが今でも経済的な理由や伝統的な社会的風習のために継続して学校に通うことが難しい現実があります。この状況は、将来の可能性を閉ざし、貧困の連鎖を助長しています。

アドラ・ジャパンは、ひとりでも多くの子どもたちがこの貧困から抜け出し、自立した未来を築くためにアドラ・ネパールとともにスポンサーシップ「ナマステ基金」で子どもたちを支援しています。

目次

ネパールにおける教育の現状

ネパールでは、今でも貧富の差が激しく、教育を受ける機会が奪われる現状あります。貧しい家庭の子どもたち、特に農村部では、経済的に厳しい状況にある家庭が多く、学費は無償であっても通学に必要な制服、カバン、靴や文房具などは、それぞれの家庭が用意しなければなりません。

また、進級試験は有料です。そのようなお金を工面できない貧しい家庭の子どもたちは、学校よりも家計のために労働の担い手として家業を手伝わされたりします。特に女子は、児童婚を強いられることが今でもあり、途中退学するのも事実です。児童婚は、若い女性たちの教育を受ける機会を奪うだけでなく、健康や未来の可能性にも深刻な影響を与えます。

これら以外に、日本のように学校が家の近くになかったり、学校・教室の不足、先生の指導レベルの低さなど、さまざまな問題が絡み合って、継続して学校へ行くことをより困難な状況にしています。

ネパールでは、年間36,000円でネパールの子ども1人の教育を1年間支えることができます(※参考数値です。中退を防ぐために、高学年の子どもの支援に必要とする金額を算出しています)36,000/年のサポーターになってくださる場合はADRA Japan事務室(03-5410-0045)までご連絡をお願いいたします。

教育支援の必要性

このような問題に対して教育支援は非常に効果的な解決策です。教育によって、子どもたちが自らの夢を実現させ、また自立した未来を築くための手段や知識を得ることができます。

特に女子教育は、児童婚の削減や家庭の経済的向上に大きく寄与します。ネパールの子どもたちが学校を卒業するまでの教育を受ける機会を守ることが困難な場合もありますが、私たちは、子どもたちが貧困や児童婚の連鎖から抜け出し、明るい未来を築けるよう、教育支援を提供することが必要であると考えています。

スポンサーシップ「ナマステ基金」の取り組み

スポンサーシップ「ナマステ基金」は、1996年「足長おじさん基金」としてスタートし、2000年に現在の名称に変更いたしました。カトマンズ近郊のカブレパランチョーク郡にある6校で、いろいろな事情で継続して学校に行くことが困難な子どもたちを毎年約100名支援しています。

みなさまからの温かいご支援で毎年1回、必要な学費や試験にかかる費用を賄い、学用品や制服、靴、カバンを提供しています。その支援のお返しとしてクリスマスの頃、子どもたちがクリスマスカードを描き、支援者の皆さまにお送りしています。

支援においては、2018年度まで、「一人の支援者が一人の子ども」を卒業するまで行っていましたが、2019年度より「支援者みんなで子どもたちみんな」を支援することに変更しました。

学校卒業後は・・・

教育支援を受け始めた頃の子どもたちは、日々の生活に追われ、将来の夢を描くことが難しいです。しかし支援によって安心して学校に通えるようになると、知識の習得だけでなく、周りのことが見えるようになってきます。今までの自分を振り返り、将来自分が何になりたいのか、ネパールのためにどうすればいいのか、またどんな仕事に就けば社会をよくできるのかまで考えるようになります。そして「ナマステ基金」で支援を受けた子どもたちは、熱心に勉強を続け学校を卒業し、自分の夢を叶え羽ばたいていっています。

夢を語るネパールのキムタヒ(ネパール・当時13歳)さん

https://www.facebook.com/watch/?v=1421841324499420

キムタヒさんは、ナマステ基金(ネパールスポンサーシップ)の支援を受け、優秀な成績で学校を卒業しました。そして、障がいのある父や兄のためにもなればと、統合失調症の看護ができる専門看護師になる夢を持つようになり、今もがんばっています!

どうかひとりでも多くの子どもたちが教育の機会を得られるよう、あたたかいご支援をお願いいたします。

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