木陰の教室

日本の小学校や中学校は、そろそろ夏休みを迎える頃でしょうか。きっと子どもたちは夏休みを心待ちにしているのでしょうね。

ジンバブエの学校も、8月に入ると1ヶ月間の休みに入ります。ただ、ジンバブエは南半球にあるので、今の季節は「冬」となります。なので、ジンバブエの子どもたちにとっては、8月の休みは日本でいう夏休みというより、冬休みに近くなります。

さて、今回と次回のブログでは2回にわたり、来年から支援を開始する予定のゴクウェ・ノース地区の小・中学校のご紹介をしたいと思います。今月は、学校の教室についてです。

ゴクウェ・ノース地区には、「サテライト・スクール」と呼ばれる小学校や中学校の分校があります。これらの分校はここ数年で相次いで開設されたのですが、教室などの施設の整備が非常に遅れています。

サテライト・スクールの教室はコンクリートではなく、木や土で作られており、とても簡素です。また、そうした教室すらないところももあります。そういった学校では、近くの小学校の教室や木陰などを利用して、授業などが行なわれています。

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木と藁でつくられた教室

しかし、そんな環境でも子どもたちは熱心に授業に参加して、勉強しています。授業中に先生が「これ分かる人?」と尋ねると、子どもたちが一斉に手を挙げます。どの子どもも、先生に指してもらいたくて、必死に手を高く挙げてアピールします。子どもたちの学ぶことへの意欲の強さを感じさせられます。

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教室がないため、木陰で授業を受ける子どもたち

ただ、いくら子どもたちが前向きだからといって、この環境で勉強を続けるということが彼らにとってよいわけがありません。木や土でつくられた教室は脆く、乾季に吹く強い砂嵐や約3カ月にわたる雨季の長雨、洪水によって頻繁に大きな被害を受け、授業を続けることは容易ではありません。

また、木陰の教室では日中の強い日差しや30℃をはるかに超える高い気温による熱中症から、子どもたちを守ることができません。

子どもたちの保護者や教師たちは、状況を少しでも改善しようと懸命に教室の建設に取り組んでいます。しかし、セメントなどを買うお金がないため、結局、木や土などを素材とした教室しか建てることができません。

現地の行政も予算がなく、資材購入のための資金を出すことができません。ADRA Japanは、地域の人々が自らの手で状況を改善していきたいという想いを大切にしつつ、支援活動を行なっていきたいと考えています。

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土と木の教室の建設に励む、子どもたちの保護者

【今月のショナ語】

毎月、ジンバブエ便りでは現地で主に使われている言葉であるショナ語(ショナ族の言葉)の簡単なフレーズを紹介していきます。ショナ語は、ローマ字読みで発音できるので、是非声に出して覚えてみてください。ジンバブエでは他に英語、ンデベレ語(ンデベレ族の言葉)などが使われています。

Sekererai!(セケレライ)
意味:笑って!
  (写真を撮るときなどに使うことのできるフレーズです。)

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小学校の子どもたち

(文責:ジンバブエ事業担当 前川龍太)

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