2024年3月より新たな事業を実施しています。

今なお過酷な環境下で生活するウクライナの方々に向けて、ADRA Japanでは2024年3月より新たな支援事業を開始しました。 支援内容は、主に3つの活動に分かれています。

1つ目は、現金の給付支援。

広大なウクライナの土地で、安心安全な場所はないと言えるほど、どの地域も緊迫した状況が続いています。しかし、「ウクライナ」と一つに括っても、地域や人によって状況の厳しさが異なるのも事実です。

例えば、ロシアとの国境が近く、戦況が激しいウクライナ東部や南部においても、スーパーや薬局などを開いて、日常生活を営んでいる地域があります。このような場所では、食料ではなく現金を給付しています。

自らが本当に必要なものを選び取ることができるようにするためです。自分で選択するというのは、人間の尊厳を守るために必要であると国際的に考えられています。

一人ひとりの想いを汲み取るために、ADRA Japanでも経済が動いているウクライナの地域においては、現金給付を行っています。

二つ目は、食料や衛生用品、越冬にむけた物資の支援。

上記のように、商店が営業している場合は現金給付を行います。しかし、より戦闘が激しい前線に近い地域では、店も閉まり物流も機能していないため、現金を受け取っても使うことができません。

私たちは、より深刻な状況下に置かれた人々にも手を差しのべるべく、これらの地域では直接物資を届けられるよう、食料や衛生用品を配付しています。

実際に配付した食料と衛生用品の中身。へルソン・2024年7月
食糧を受け取っている様子。へルソン・2024年7月24日

食料と衛生用品は7月下旬に今回予定していた世帯分の配付を終えることができました。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

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三つめは、オンラインでの心理ケア支援。  東部を中心とした地域で、電話やオンライン通話機能を使ったカウンセリングを実施しています。長引く戦争の中で、心理支援が必要な方はウクライナ国内に1,000万人いるとされてます。

各地に住む、少しでも多くの人に支援が届けられるよう、対面ではなく電話での相談としています。相談者1人につき最大6回のカウンセリングを行い、心理療法士が引き続きの支援が必要と判断した場合は、他の団体や病院を紹介します。そうすることで、途切れることなく一人ひとりが必要とする支援が受けられるようにしています。

オンライン通話機能を使って相談をしている様子。2024年8月21日

3月から準備や調整を重ね、受益者の方の元に支援が届き始めました。大変な状況が続く中ではありますが、今後も必要な支援を届けていけるよう邁進してまいります。

同事業は支援者の皆さまからお預かりした寄付金と、(特活)ジャパン・プラットフォームによる助成金とで実施しています。心より感謝申し上げます。

今後とも温かいご支援をよろしくお願いいたします。

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