NPO法人 アドラ・ジャパン ADRA Japan
Zimbabwe Water, Sanitation and Hygiene Project for Prevention against Cholera
ジンバブエ / コレラ感染症予防のための水衛生改善事業 2010~2011

2008年に感染が広がり、約5,000人もの死者を出したコレラ。その根本的な原因であった水衛生インフラの未整備と基礎的な衛生知識の欠如を改善するため、2010年11月から2011年12月の約13カ月間にわたり、コレラ感染症予防のための水衛生改善事業を実施しました。 この事業を支えてくださった皆様に、心より感謝いたします。

 

ジンバブエについて

ジンバブエは、ザンビア、ボツワナ、南アフリカ共和国、モザンビークと国境を接するアフリカ大陸南部の国です。国土には川や湖もあり、雄大な自然と多様な生態系に恵まれた国です。およそ1世紀のイギリス植民地時代を経て、1980年にジンバブエ共和国として独立しました。2008年には、経済の悪化と物価の高騰により、人口の半数以上である約700万人の国民が、国際社会からの食糧援助に頼らざるを得なくなりました。その後、2009年2月、ジンバブエドルから米ドルへの移行を経て、経済は徐々に安定を取り戻しています。
かつては「他のアフリカ諸国と比べるとインフラの整備が行き届いている」といわれていたジンバブエも、現在では設備の老朽化が進んでおり、経済復興のためにもインフラ整備が大きな課題とされています。とりわけ地方では、都市部に比べて、水道、電気などの供給が不足しています。このような状況をふまえ、現在は国際機関やNGOを中心に、インフラ整備の改善に取り組んでいます。

 


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統計

人口:約1,246万人(2008年 世界銀行)
面積:39万㎢
首都:ハラレ
言語:英語、ショナ語、ンデベレ語
宗教:キリスト教、土着の伝統宗教
GDP:39.12億ドル(2008年 国連統計局)
平均寿命:44.2歳(2008年 世界人口計画)
栄養不足人口:510万人(2004-6年 国連食糧農業機関)

 

コレラとは

Vibrio Choleraeコレラは世界に広く分布する細菌性の感染症です。コレラは、菌に汚染された水・氷・食品などを摂取することにより感染します。数時間~5日(通常1~3日)の潜伏期間の後、下痢や嘔吐などの症状が現れます。

水分補給や抗菌薬の投与により治療可能であり、火を通した食品や煮沸した水を摂取すること、手洗いの徹底などで予防することができます。

通常の流行での致死率は1%程度ですが、今回のジンバブエでのコレラ感染の流行では全体的な致死率は5.7%と上回り、一部の地方地域では50%に及ぶところもありました。衛生的なトイレがないところでは、以前死亡率は高いようです。このことから、より良い衛生状態の確保と、運営が必要であることは明白です。

今回の流行状況は、安全な飲料水の欠如、貧弱な下水道設備、治療施設の不足、医療従事者減少などと、密接に関係しています。他の流行因子として、雨季の始まり、クリスマスシーズンでの国内外での人々の移動も含まれます。

参照:厚生労働省検疫所HP

 

 

活動内容1:水アクセスの向上

1. 深井戸掘削・設置

事業地の多くの学校には、安全な飲み水がありませんでした。子どもたちは決して安全とは言えない川の水を汲んでバケツを頭の上にのせ、学校まで運んでいました。


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学校の近くの川で水を汲む小学生

 

本事業では6つの小中学校において深井戸の掘削・設置を行ないました。これにより約7,500人が安全な水を得ることができるようになりました。

 

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掘削の様子  

  
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設置作業が完了した深井戸

 

2. 手掘り井戸修繕・改良

使用されていなかったコミュニティーの手掘り井戸12基を修繕・改良しました。これにより、約6,900人が井戸を使えるようになりました。


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修繕前

 

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修繕中

 

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修繕後

 

3.深井戸メンテナンストレーニング

深井戸の掘削後には地域住民が持続的に深井戸を利用できるよう、コミュニティーから選出された12人に対してトレーニングを行ないました。これにより、7つの小学校と周辺コミュニティーの深井戸が地域住民によってメンテナンスされるようになりました。


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トレーニングを受けた住民と、修理されて使用可能になった深井戸)

 

 

活動内容2:衛生設備の設置

1.トイレ建設

丈夫にできていて、衛生的に使用できるトイレが少ない事業地の学校では、子どもたちは茂みをトイレとして利用することが多くありました。
本事業では7つの小中学校において10の個室があるトイレ棟を建設しました。


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コミュニティーの協力

 

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建設中のトイレ

 

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完成したトイレ棟

 

2.手洗い場の設置

事業地ではコンクリート製の手洗い場があまり普及していませんでした。本事業では7つの小中学校で耐久性に優れ、衛生的なコンクリート製の手洗い場を設置しました。


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工事の様子

 

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完成した手洗い場

 

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完成した手洗い場で手を洗う小学生

 

 

活動内容3:衛生教育・感染症予防トレーニング

地域で選出された住民212人を対象に、衛生や感染症についての知識を広め、意識を高めることを目的とした「PHHE」と呼ばれる衛生教育・感染症予防トレーニングを実施しました。5日間にわたるこのトレーニングでは、正しい手の洗い方の演習や衛生についての基礎的な講義をはじめ、コレラやマラリアなどの感染症に対する予防策や、衛生とそれを取り巻くさまざまな社会問題などについて学ぶ研修が行なわれました。


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トレーニングの様子

トレーニングを終えた参加者たちは習得した知識を学校と地域に広めるための講習会を開催。11月には、修了式にて修了証書を受け取りました。これからも引き続き地域のリーダーとして活動していってくれることを期待しています。

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修了式では在ジンバブエ大使館原田氏から修了証書を受け取った

 

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修了式で発表する受講生

 

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「感染症から地域を守るぞ!」

 

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あたたかいご支援をどうもありがとうございました。

 

⇒2013年2月よりジンバブエで行なっている「水・衛生環境の改善事業」のページを見る


⇒駐在員によるジンバブエ便りを読む

 

2014/04/23更新

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